報恩碑

◆所在地 常滑市奥條古道東割
◆大きさ 高さ200p 幅70p位
◆建立年月日 昭和二年十一月二十三日

●由来
 水野濱次郎氏の善行は碑文に言い尽くされているので省略するがエピソードとして伝えたいことは、或る日知人を訪れた時、その家に蜜柑がたわわに実っていたのを見て一本の木の収入がどれ程、百ならどれだけと計算して自分の土地を蜜柑山にしたのが、予想を上回る収益があり、大層な財を成したとの事。
 亦、親ゆずりの信仰心から、四国八十八ヶ所を巡拝の折、霊場のお砂を持ち帰り、奥条大善院(六十三番弘法寺)の裏山中腹に弘法様を建立、霊場のお砂踏場を作り居ながらにして四国八十八ヶ所詣りの御利益を受けられるようにした。
 寺の門前に接待所を設け、春の弘法詣りを楽しむ善男善女に香のものなど添えて湯茶の接待などした。
 この偉大なる篤行の人水野濱次郎氏の、報恩碑が、今は草に埋もれ世の移り変りと共に知る人のなくなって行くのは返す返すも惜しまれてならない。